炭酸泉のあれこれ
炭酸泉とは?
炭酸ガス(二酸化炭素)が溶け込んだ温泉のことを指します。
お湯1Lに炭酸ガスが0.25g(250ppm)以上溶解しているものが「炭酸泉」と呼ばれます。(温泉法による定義)
さらに炭酸泉のなかでも高濃度な温泉は「*療養泉」と呼ばれます。
*療養泉は特に治療の目的に供しうるものとして、炭酸ガスが1000ppm以上含まれている炭酸泉を指します。(環境省・鉱泉分析法指針による定義)
炭酸泉の原理
炭酸泉に入ると血流が良くなると言われますが、その原理は…
お湯に溶けた炭酸ガスが皮膚を通じて血管に吸収されます。体内の炭酸濃度(二酸化炭素濃度)が高くなることで、酸素が不足していると錯覚します。
足りない酸素を供給しようと血管が拡張し、血流が増加します。
血管が関わる病気
糖尿病
さまざまな臓器で血管のトラブルのもとになるのが糖尿病です。
糖尿病は血液内に含まれるブドウ糖の量が多く、血糖値が上がっている状態です。つまり血液がどろどろな状態が続くということですから血液が詰まりやすくなります。
さらに糖尿病の3大合併症といわれる糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神障害を引き起こす危険性もあります。
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糖尿病患者のうち約15%が糖尿病網膜症にかかっているとされています。糖尿病網膜症による失明は年間3000人にのぼります。
閉塞性動脈硬化症(ASO)
足(膝から下)の血管の動脈硬化が進行する病気です。血流が悪くなることで足先に酸素が行き渡らなくなり、さまざまな症状が現れます。重症化して壊死してしまうと切断しなければならない可能性もあります。
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名古屋共立病院では人工炭酸泉をASOの治療方法として取り入れている病院で知られています。この病院では、炭酸泉でASOからくる壊疽の治療をし、足の切断手術を回避できた患者が85%と報告しています。
脳卒中
脳卒中は大きく2つに分けられます
-1.脳の血管が破れて出血する 脳出血、くも膜下出血
-2.脳の血管が詰まる 脳梗塞←脳卒中で4分の3を占めます
また脳梗塞には3つ種類があります
-1.脳の細かい血管の内腔が狭くなって詰まる「ラクナ梗塞」
-2.動脈硬化によって脳の太い血管に血栓ができる「アテローム血栓性梗塞」
-3.心臓にできた血栓が血液によって運ばれ脳の太い血管を詰まらせる「心原性脳塞栓症」
血管の老化
心臓から送られてくる血液の勢い(圧力)に血管の壁が耐えられる弾力性が衰えると、血管の老化が進んでいると言えます。
【食生活】
高血糖:糖質は体のエネルギーとなるので大切ですが、過剰に摂取してしまうことでインスリンの分泌が間に合わず、高血糖になってしまいます。濃度の高いドロッとした血液は血管に負担がかかってしまいます。
高血圧:高血圧といえば塩分過多。高血圧の仕組みは、血中のナトリウム濃度が高くなり、薄めようと水分を過剰に摂取したり、血管の内皮細胞から水分が染み出したりすることによって、一時的に血液の量が増えます。一気に大量の血液を送るので血圧が上昇します。高血圧は絶えず血管に圧力をかけるので血管が傷ついてしまいます。
血中脂肪が多い:中性脂肪やコレステロールなどの脂質が多い食事(例えば肉類、乳製品などの動物性脂肪が多い食事)、過剰な飲酒、カロリー過多などの食生活が続くと、血中脂肪が増えます。そうなると血管の壁にコレステロールや血栓が付着し、血管の内腔が狭くなり血液の流れが悪くなってしまします。
【運動】
運動不足の状態だと血流が滞り、血流がわるくなったり、血栓ができやすくなったりします。それに対して、適度な運動は心拍数を上げて血行を促進させます。血管が拡張することにより血圧が下がり、血圧が下がることで心臓への負担も軽減されます。また、運動をすることで血液の凝固性が低下します。運動後に交感神経の緊張が低下するのに伴い、副交感神経が働き、リラックスできます。血液が固まりにくくなるのはこのリラックス効果で、血液を固める血小板の働きが抑えられるからです。
【ストレス】
自律神経はストレスによるダメージを受けると、血圧や血管のコントロールがうまくできなくなったり、支障をきたします。
①血圧の上昇
ストレスを感じると、交感神経が緊張し、血管が収縮します。そうすると血圧の上昇につながってしまいます。
②血栓ができやすくなる
ストレスを感じると副腎(臓器)から血管が収縮されるホルモンが分泌されます。このホルモンには、血液を凝固させる成分、血栓を溶けさせないようにする成分を含み、血栓ができやすくなってしまいます。
③血管壁の機能低下
血管の3つの層、内膜・中膜・外膜がストレスによって増えた活性酸素により血管壁が壊れてしまいます。
【喫煙】
ニコチンが交感神経を刺激するため血管の収縮が起こり血圧が上昇します。さらに、喫煙は血液を固まりやすくする作用がはたらくため、血栓ができやすくなります。
【冷え】
寒さを感じた際の血管は、熱を外へ逃がさないよう血管を収縮させます。これは正常な体の反応ですが、温かい場所で冷えを感じるということは血管の収縮で血流が悪くなっていることになります。収縮して血流が悪くなり、血流が減ることでまた冷えを感じるという悪循環になります。
血管を若返らせる炭酸泉
食事や運動で改善できることも多くありますが、プラスして取り入れると血管に良いとされるのが「炭酸泉」です。
1.弱酸性PH4.5~5
弱酸性の水質は人体のPH値に近くすべすべの肌になるといわれています。
通常、肌のターンオーバーは約28日といわれています。酸素不足の肌細胞が働く活力を失うことで、古い角質細胞を表面へ押し上げ、はがれ落とすことができず長期間とどまってしまうことがくすみの原因となっています。逆にいえば、肌細胞に酸素が多く行き渡るほど、肌を若々しく保つことができるということです。酸素が細胞に放出される仕組みは、ヘモグロビンから運ばれてきた酸素が二酸化炭素と引き換えに細胞に放出される、いわば酸素と二酸化炭素の交換によって酸素が細胞へ供給されます。つまり、多くの酸素を細胞に行き渡らせるには、多くの二酸化炭素が必要ということになります。
炭酸泉はお肌の引き締め効果、アストリンゼン効果も期待できます。血管拡張で代謝が上がり、脂肪燃焼を助ける働きをします。
またヘアケアとしての効果も期待できます。カラー剤やパーマ剤でアルカリに傾いた髪を炭酸泉の弱酸性の効果で除去することができます。(アルカリに傾くと、細菌などの侵入を防ぐ抵抗力が弱まってしまいます)また、頭の皮脂などの汚れを吸着してはがれやすくする働きから、余分な皮脂を取り除き、髪を美しく保つことができます。
2.末梢血管の拡張
炭酸泉の入浴は真水の入浴に比べて血液の流れる量が約3倍になります。疲れによって溜まる乳酸も血液によって早く流されて取り除かれます。筋肉痛やこりの原因になる疲労物質も血液がすばやく流してくれるため、早期回復が見込めます。
血行の促進で体温が上がるとさまざまなメリットがあります。
①体温が1度高くなると、睡眠時の消費カロリーが30分間のウォーキングに値するようになります。また免疫力が5~6倍に増加します。逆に体が冷えて体温が1度下がると、基礎代謝が約12%低下してしまいます。また免疫力も30%低下します。
②抗酸化酵素の働きがよくなります。老化の進行の原因といわれている活性酸素を抗酸化酵素が解毒するので老化の予防に繋がります。
③ストレスへの耐性がつきます。ストレスで傷ついた細胞は、グルコースというエネルギー源の供給で、修復が早まります。体温の上昇で血流が良くなるとこのグルコースの供給がされやすくなり、ストレスに強い体になれるといえます。
心臓は全身へ血液を送るポンプの役割を果たしています。血管が細ければ、心臓が血液を送り出す力が強くなり、太ければ送り出す力が弱くてすみます。つまり血管が拡張している状態は心臓にとって負担が軽減されているということです。この状態は血圧が低いことを指すので、高血圧の改善に繋がります。
3.副交感神経に作用
交感神経:活動する昼に活発になります。強く働くと、血圧が上がり、心と体が興奮状態になります。
副交感神経:リラックスしている夜は活発になります。強く働くと血圧が下がり、心と体が休んでいる状態になります。
炭酸泉はこの2つの自律神経のバランスを整える作用があります。また、高まりすぎた交感神経を静め、副交感神経が優位に働くと、リラックス効果が得られ、体力や気力の充実、睡眠の質の向上に繋がります。
炭酸泉に入るとHSP(ヒートショックプロテイン)が増加するといわれています。HSPは傷ついた組織の修復に作用するタンパク質です。このHSPが増えるとともに、NK細胞などの免疫細胞の働きをサポートします。NK細胞も炭酸泉によって活動が活発になることがわかっています。
まとめ
炭酸泉にはさまざまな効果が期待できることを知っていただけたと思います。
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